工芸宿の新たな客室棟「SUKU hanare」、2026年10月1日オープン
2026年10月1日、越前和紙の産地・福井県越前市今立に、工芸宿「SUKU」の新たな客室棟「SUKU hanare(スク ハナレ)」をオープンしました。
2025年秋に開業したSUKUでは、宿泊をきっかけに工房を訪ねたり、まちを歩いたり、地域のお店で食事をしたりと、宿を起点に滞在が産地全体へと広がっていく様子を見てきました。
SUKU hanareでは、そこからもう一歩踏み込み、産地で暮らすように滞在することのできる、キッチンを備えた2つの客室を設けました。数日間滞在しながら工房や職人と出会い、産地の器や道具を使って過ごし、和紙に包まれた心地のよい空間を味わう。
宿に泊まるだけではなく、日々の暮らしの延長に工芸があるような滞在を提案します。
越前を拠点に活動するクリエイティブチーム「閃」が、空間から家具までをデザイン

SUKU hanareの空間デザインを手がけたのは、越前を拠点に活動するクリエイティブチーム「閃(SEN)」。
家具職人やデザイナーなど、異なる専門性を持つ4人のクリエイターによって2024年に結成され、地域の素材や文化に向き合いながら、それぞれが実際に手を動かし、新たな価値や解釈を生み出すものづくりに取り組んでいます。
今回のSUKU hanareでは、家具や照明の製作だけでなく、空間デザインまでを一貫して手がけました。
紙漉きの「道具」の名前を冠した、KETAとKAI
2つの客室の名前は、どちらも越前和紙の紙漉きに使われる道具から名付けられています。
「KETA(桁)」は、紙を漉くために欠かせない「漉き桁(すきけた)」。
「KAI(櫂)」は、紙の繊維などをかき混ぜるために使われる「櫂(かい)」。
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越前和紙の紙漉きに使われる道具「桁(写真左)」「櫂(写真右)」
それぞれの客室には、名前の由来となった道具そのものや、その形から着想した家具やアートを取り入れています。
紙漉きの技術が受け継がれてきた一方で、その仕事を支えてきた道具をつくる職人は少なくなっています。
紙を漉く技術だけではなく、そのための道具をつくる技術も、産地にとって大切なものづくりの一つです。
今回、閃は紙漉き道具について、自分たちの手で実際につくることにも挑戦しました。
道具をそのまま保存するだけではなく、そのつくり方に触れ、手を動かし、現代の家具や空間へと展開していく。
産地を拠点にする彼らだからこそ肌で感じる産地の現状から、道具をつくる技術を次の世代へとつないでいく一つの取り組みに繋がっています。
また、壁紙には越前和紙を使用し、さまざまな素材や技法を組み合わせながら、工芸が自然と旅の時間に溶け込む空間をつくり上げました。
クリエイティブディレクションはTSUGI、設計監理はクレヨンが担当しています。


KETA(桁)|最大6名で過ごせる、ゆとりある客室
「KETA」は、紙漉きに欠かせない道具「漉き桁(すきけた)」をテーマにした客室です。
136.20㎡のゆとりある空間に、中庭を囲むようにダイニングと寝室を配置。
最大6名まで宿泊でき、ご家族やグループでの滞在にもおすすめです。浴室には、中庭を望む壺風呂を設けています。
キッチンには、越前焼の器やマグカップ、越前漆器のお椀、越前打刃物の包丁などをご用意。
産地の工芸を見るだけでなく、料理をつくり、食卓を囲む日々の道具として、実際に使いながら過ごしていただけます。
KETA(桁)
面積|136.20㎡
定員|最大6名
料金|30,000円(税込)〜/1泊朝食付き


KAI(櫂)|2名でゆっくりと産地に滞在する
「KAI」は、紙漉きの工程で繊維をかき混ぜる道具「櫂(かい)」をテーマにした客室です。
47.55㎡、最大2名まで宿泊できるキッチン付きの客室で、連泊やワーケーションにもおすすめです。
客室には「櫂」をモチーフにしたアートを取り入れ、落ち着いて過ごせる空間に仕上げました。
工房を巡ったり、まちを歩いたり、ときには宿で料理をしながらのんびり過ごしたり。
自分たちのペースで、越前和紙の産地に滞在する時間をお楽しみください。
KAI(櫂)
面積|47.55㎡
定員|最大2名
料金|20,000円(税込)〜/1泊朝食付き


SUKU hanareで使用する産地の工芸品
SUKU hanareには、越前和紙だけでなく、越前焼、越前漆器、越前打刃物など、この地域で受け継がれてきたさまざまな工芸を取り入れています。
地域の食材を使い、産地の器に盛りつける。
職人がつくった包丁で料理をし、和紙の照明の下で食卓を囲む。
工芸品を展示して眺めるだけではなく、実際に使うことで、その手触りや使い心地、ものづくりの背景まで感じてもらう。
SUKU hanareは、宿泊施設でありながら、越前鯖江のものづくりを実際に見て、触れて、使うことのできる産地のショールームのような場所を目指しています。
【越前焼】
・SUKUオリジナルの平皿(書家 kasonによる絵付け+柳瀬陶房の器)
・SUKUオリジナルの平皿(滝製紙所・瀧氏による落水模様の絵付け+柳瀬陶房の器)
・越前瓦の器(越前セラミカ)
【越前漆器】
・スープ皿(漆琳堂)
・漆加工の洗面カウンター(丸廣意匠)
・漆加工の和紙コースター(杉原商店)
【越前打刃物】
・料理包丁

産地そのものを、ひとつの滞在先に
SUKUが目指しているのは、宿の中だけで完結する旅ではありません。
工房を訪ね、職人と話し、ものづくりを体験する。
地域のお店で食事をし、まちを歩く。
一度の滞在ですべてを巡るのではなく、今回は和紙、次は漆器や刃物へ。以前出会った職人を、また訪ねてみる。
旅を重ねるごとに、少しずつ産地との関係が深まっていく。
そんな滞在の入口になることを、SUKUは目指しています。
SUKU hanareの誕生によって、これまで以上に長く、自由に、この地域で過ごしていただけるようになりました。
これまでのSUKUと、新しく生まれたSUKU hanare。
宿を拠点に、越前和紙をはじめとするものづくりや、そこで働く人々、この土地の日常に触れる時間を、これからも提案していきます。
開業にあたり力を貸してくださった職人の皆さま、設計・施工に携わってくださった皆さま、地域の皆さま、そしてこれまでSUKUを訪れてくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。
皆さまのお越しを、越前和紙の産地・今立でお待ちしています。



【SUKU hanare 施設概要】
所在地|福井県越前市岩本町15-7
客室数|2室(KETA・KAI)
アクセス|北陸新幹線 越前たけふ駅より車で約10分
開業日|2026年10月1日(木)
宿泊のご予約はSUKU公式予約サイトより
https://craftinvitation.jp/suku/rooms/
運営|一般社団法人SOE
監修|新山直広(TSUGI・SOE)
空間設計|高田陸央・大西弘晃・上田樹一・深治遼也(閃)
設計監理|柴田叔之(クレヨン)
グラフィック制作|村谷知華(TSUGI)
建築施工|水上建設株式会社
和紙協力|滝製紙所 / 清水紙工 / 長田製紙所 / 山伝製紙 / 山田製紙 / やなせ和紙 / 山次製紙所 / 五十嵐製紙 / 山田兄弟製紙 / 手漉き和紙 菜穂 / 岩野平三郎製紙所
家具製作|閃 / マルイチセーリング
施工協力|丸廣意匠 / 堀田カーペット / 村上大理石
事業伴走|時岡壮太・堀裕貴(株式会社デキタ)
写真|Tsutomu Ogino(TOMART:PhotoWorks)
閃(SEN)プロフィール
2024年に結成。福井県越前市を拠点に活動する、同世代のクリエイターによるチーム。
異なる領域で活動する4人から成り、それぞれ異なるクリエイティブ分野でのバックグラウンドを持っています。
それぞれの専門性を交差させながら、地域ならではの素材や文化に現地で触れ、自ら手を動かすことを通して、新たな価値や解釈の創出を目指しています。
閃(SEN)
https://sen-fukui.com/

